一般社団法人波崎未来エネルギー

波崎未来エネルギー風力発電所(茨城県神栖市)

若い人たちに地元の力を見せたかった

 「何度もあきらめかけましたよ。でも、波崎海岸は夏は南から、冬は北西から風が吹き、風力発電に向いている立地。安定した発電は地域に貢献すると私は信じていた。それに若い人たちに地元の力を見せたかったんです」と語るのは、一般社団法人波崎未来エネルギーの遠藤さん。

 波崎海水浴場にそびえ立つ市民風車“なみまる”は市民ファンドで建てられた風車のひとつです。
 当初はメンバー全員が諸手を挙げて賛成したわけではありませんでした。風力発電は地元でお金を循環させることもできますが、建設のために数億円もの資金が必要です。多くのメンバーが反対する中、計画を進めていた遠藤さんの地道な説得が功を奏して少しずつ賛同が得られ、2007年、高さ65メートルの発電所が完成しました。

風車がもたらした勇気
 東日本大震災では波崎海岸に津波が打ち寄せ、漁船が転覆したり港が壊されたりと、大きな被害に遭いましたが、幸運なことに“なみまる”は無事でした。
 一時は計画停電でストップしていましたがすぐに解除され、3月14日には稼働を再開することができました。電力不足の解消もさることながら、雄大に回る風車の姿は市民に勇気を与えました。

「風車は電気を作るだけでなく、いろいろな力があるんですよ。自分たちでこんな大きなものを建てられたことが、ひとつの奇跡の象徴です。これを見て育った波崎の若い人たちが、今後どんなでっかいことをやってくれるのか、楽しみにしてますよ」(遠藤さん)