飯舘電力㈱

飯樋字大橋213-2太陽光発電所(福島県相馬郡飯舘村)
飯樋字前田15-1太陽光発電所(福島県相馬郡飯舘村)

原発事故の風化防止と再エネの普及拡大を目指して

 「原発事故から13年目に入った2023年4月25日、やっと飯舘村全域で避難指示解除が実現しました」と語るのは、飯舘電力㈱の千葉さん。
 
震災前まで東京暮らしだった千葉さんは、原発と対極にある再エネ事業を原発被災地の飯舘村で営み、その売電収入をもとに環境教育をベースとした活動を展開しています。飯舘村が受けた放射能事故の経験を教材とし、持続可能な社会のあり方について、オンライン講座、書籍、現地研修などを通じて、学ぶ機会を提供しています

 村内には飯舘電力㈱の小規模な太陽光発電所49基が稼働し、故郷の「再生」に向けて今日も電気を作り続けています。

バーチャルツアーに想いをのせて

 飯舘電力㈱設立当初は、太陽光発電事業のほか、帰村拠点の運営事業など新産業創出と若者の雇用を目指していました。
 しかし、原発事故から10年経っても飯舘村の現状は復興再生の途中であり、病院、スーパーマーケットなどの生活インフラも不完全なままとなっていました。多額の補償金によって公共施設は整備されましたが、震災前のような賑わいやコミュニティ、文化活動などはほとんど失われてしまっている状況でした。
 このような被害を日本で、世界で二度と起こしてはいけない。そのためにも「原発事故の風化防止」と「再エネの普及」を発信していく必要があると考えるようになり、その発信方法としてたどり着いたのが「バーチャルツアー」でした。