きぼうのでんき2025年7月号

 

自宅で工作!再エネ発電所、作ってみよう!

「子どもの科学への意欲向上」をテーマに、小中学生向けにサイエンスショーなどで科学のおもしろさを伝える『サイエンスエンターテイナー五十嵐美樹さん』に取材しました。

 

――「サイエンスエンターテイナー」として大学教員や科学技術振興機構のイベント推進委員にも就くなど、大活躍中ですね!

五十嵐美樹(以下、五十嵐) 私が科学に目覚めたきっかけは、中学校の理科の授業でした。ガラスのプリズムに光を入れて虹を作る実験。七色のキラキラに見とれながら先生にその原理で説明いただいたとき、「そっか!」ってすごく感激したんです。

――サイエンスショーでは、ダンスと組み合わせた科学実験が人気ですね。

五十嵐 『科学』と聞くと、ちょっと身構えるという方もいらっしゃるかもしれません。でも、誰でも何かのきっかけで感情をゆり動かされると、むくむくと「関心」が湧き上がってくる。難しそうだった科学と自分の世界が急につながったりしておもしろさに気づく。私も大好きなダンスと一緒に伝えることで、そんなきっかけになったらいいな、と思っています。

――でも、電気のしくみって説明するのが難しい…。目に見えないですし…。

五十嵐 私、「電磁誘導」が好きなんです。

――で、でんじ…?

五十嵐 コイルを貫く磁束が時間的に変化するとき、その変化の割合に比例した起電力が誘導されるという法則。簡単に言うと「磁石を動かすとコイルに電流が流れるよ」ってことです(笑)。その法則を見つけたイギリスの科学者、マイケル・ファラデーが電磁誘導の講演をしたとき「これは何の役に立つのか?」と質問され、こう答えたそうです。「生まれたての赤ちゃんが何の役に立つか、誰がわかるでしょうか」 科学的な発見の技術的インパクトは、その瞬間にはわからないときもある。赤ちゃんのその後の成長の先に、どんな豊かな人生があるかなんて誰にもわからないですよね。1831年に発見された電磁誘導の法則からはその後、発電機が生まれました。私はこの話が大好きなんです。

――再エネもまた、これからの社会をサステナブルで豊かにしてくれる可能性がある。ってことですね!

五十嵐 コイルを通じて電球に明かりが灯る原理はいたってシンプルです。でもそれを自分で実験して「理解」することと、ただ見て「理解したつもり」になっていることの間にはすごく隔たりがあります。 この夏、キッズのみんなにはぜひ再エネの科学実験をおうちでやってほしいなあ!

 

自由研究にお役立ち!身の回りのものでできる「再エネ発電所」、美樹先生に教えてもらおう!

準備するもの(どれも100円ショップなどで購入できます)

両面テープ、消しゴム、はさみ、ワニ口クリップ、えんぴつ、色紙(何色でもオッケー)、紙皿、豆電球付きモーター

1 .色紙で羽の型紙をとろう

私はこんな形にしてみました!

2.型紙から羽を切り出そう

 

できた!



3.モーターを取り付けよう

4.扇風機で羽をまわそう

完成!!

初めは失敗しても、いろいろな形を試してみてね。 風をいーっぱい受け止めてくれる形が見つかれば、きっと電球は明るく光るよ! 

 

YouTubeチャンネル「ミキラボ・キッズ」でも風力発電装置をつくっているのでぜひ見てね!

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サイエンスエンターテイナー
五十嵐美樹さん

Profile
東京都市大学教育開発機構准教授。
国際的な科学コミュニケーションイベント
「Falling WallsScience Breakthrough of the Year 2022ScienceEngagement部門」にて、日本人で初めて、世界ベスト20人に選出。
東京大学大学院在学中から「子どもの科学への意欲向上」をテーマに小中学生向けサイエンスショーを開催。
キッズ向けYouTubeチャンネル「ミキラボ・キッズ」で実験動画も公開中。
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