NPO法人きらきら発電・市民共同発電所

井戸浜1号発電所(宮城県仙台市)

市民の力で電気を!

「2カ月に1回、会員で集まって草刈りをやります。誇りと愛着と夢がありますから」と語るのは、きらきら発電の理事長で、医師の水戸部さん。

 レントゲンなど、医療現場では放射線を使います。それは安全に“管理する”ことが絶対条件。“管理できない”原発は、絶対に許せません。『市民共同発電』のことは震災後、脱原発運動に取り組むなかで知りました。
 「震災を経験し、原発が身近にある町だからこそ、自分たちで電気を作りたい」、水戸部さんたちの呼びかけに共感の輪は広がります。2014年、宮城県初の市民発電「きらきら発電・市民共同発電所」が誕生。翌年には井土浜発電所が開所しました。

市民だからこそできること

 メガバンクや大資本に貯蓄・投資をしたら、そのお金が原発や戦争に利用されるかもしれません。市民一人ひとりが寄付・出資する『市民共同発電』は、自分の資産を、自分の想いに添うかたちで活かす消費者運動なんです。

 地元の子どもたちを対象とした、理科教室も開いています。自転車を漕いだら電気が光る、みたいに“エネルギーのリアルさ”を伝えたい。世代を超えたコミュニティーを通して、私たちの発電所を子や孫の世代に残したいです。

挑戦の先にある人との出会い

 きらきら発電は当初、東北電力に売電していました。宮城県女川原発の再稼働が囁かれるなか、会員からは売電先への疑問の声が出ました。そんなとき、パルシステムとつながりの深い地元生協「あいコープみやぎ」を介してパルシステムでんきと出会い、2019年6月からパルシステムでんきへの売電を開始しました。

 FIT率が高く、積極的に再エネの電気を消費者に届ける、パルシステムでんきの姿勢に刺激されました。一人ひとりが再エネ発電に切り替える。そこからもう一歩踏み出し、自分たちで市民共同発電に参加する。その動きが広がれば、地域も社会も変わるはず。やってみなきゃわからない。挑戦の先に、人との出会いがありますからね。