夏を乗り切る節電術!
楽しくはじめて、仲間を増やす!
全国でも猛暑として知られる群馬に、組合員がつくったユニークなグループがあります。その名も「へちま党」。へちまのグリーンカーテンやたわしで、楽しく夏を乗り切る知恵を提唱している"党首"の柳井由香里さんに地域への思い、これからの電気について聞きました。
柳井由香里さん
生活協同組合パルシステム群馬組合員
パルシステム群馬で組合員活動を長く続け、現在は常任理事。
アートイベントの企画など、地元でさまざまな活動に取り組む。
この夏の節電術、いくつできていますか?
さらに節電したい方はご注目!
柳井さんのとっておきの節電術をご紹介!
柳井さんのとっておきの節電術をご紹介!
――へちま党の噂は、よく耳にしています。党首自らインタビューに応じていただき光栄です。
こちらこそ(笑)。パルシステム群馬で会議があると、「自然素材のへちまたわしを取り扱ってください」といつも言っています。そしたら、「へちま党の柳井さん」と呼ばれるようになりました。私も最近は、「へちま党の柳井です」と自己紹介しています。
――以前から、へちまのグリーンカーテンを実践されたそうですね。
グリーンカーテンの効果は、凄いんですよ。8㎡のサイズで夏(7~9月)やってみると、エアコン1台で毎日約1時間半分の省エネ効果になる。しかも、CO2の削減にもなって、杉の木約9本が吸収するCO2と同じくらいになるそうです。(※1)
最初はゴーヤでやったんです。涼しくはなりますが、ゴーヤって好き嫌いがあるじゃないですか。近所の人に「いりますか?」と声をかけても、「いいです」と遠慮されてしまう。だったら、へちまでやろうと。葉っぱが大きくて遮光率が良く、きれいな黄色い花を咲かすので見栄えもする。
最初はゴーヤでやったんです。涼しくはなりますが、ゴーヤって好き嫌いがあるじゃないですか。近所の人に「いりますか?」と声をかけても、「いいです」と遠慮されてしまう。だったら、へちまでやろうと。葉っぱが大きくて遮光率が良く、きれいな黄色い花を咲かすので見栄えもする。
大きく育ったへちまの実
へちまのグリーンカーテン
――グリーンカーテンのコツを教えてください。
プランターは、大きくて底の深いサイズを用意してください。種は4~5月に蒔くので、今からだと苗を手に入れて、育てるのがいいです。コツは、水を切らさないこと。グリーンカーテンは、たっぷりの水を吸って蒸散させるから、ミスト効果で涼しくなるんです。
省エネ活動で仲間づくり
――へちまたわしは、どのように作るんですか?
手作りのへちまたわし
完熟したへちまを包丁で切って、大きな鍋で茹でます。皮を剥き、種を取り、茹で残った果肉を洗い、乾かして完成です。濡らすと柔らかくなるので、食器洗いのスポンジにも、身体を洗うたわしにもなる。石けん置きにしたり、泥つきのごぼうや人参を洗うときにも重宝します。使いきって庭や畑に埋めたら、土に還るのでエコです。
――へちま党は何人くらいいらっしゃいますか?
理事を中心に12、3人です。2022年のパルシステム群馬の20周年記念式典のとき、へちまたわしを参加者にプレゼントすることに決めたんです。苗を配って、みんなで手分けしてへちまを育てました。LINEで栽培状況を共有したり、励まし合ったり、謎の結束感が生まれました。
――まさに「党」ですね。
最終的に、100個以上のたわしが出来ました。その後は、メンバーがそれぞれ、種や苗を友だちや知り合いにあげたりして、広がりが生まれています。パルシステム群馬の某職員さんは、センターでグリーンカーテンを始めたんです。すくすく育つのを見て、「へちまだ!」とメンバーで盛り上がっていたら、実はゴーヤだった。「ゴーヤじゃん!」って(笑)。
仲間はやがて「支え」になる!
――「地球温暖化防止」「省エネ」というと堅苦しいですが、「へちま」だと身近に感じられます。
私は環境に対して、すごく関心の高い人間ではないんです。やっていることは、ひと昔前の生活。それが環境にやさしく、自然を汚さない暮らしだった。子どもの環境教育にも、へちまはぴったり。親子でたわしを作るイベントとか、やってみたいです。
群馬の人は、ノリがいいんです。ひとりではなく、みんなで楽しく盛り上げて、周りに広げていく。へちまもそう。群馬には、そういう前向きな組合員さんが多い気がします。
群馬の人は、ノリがいいんです。ひとりではなく、みんなで楽しく盛り上げて、周りに広げていく。へちまもそう。群馬には、そういう前向きな組合員さんが多い気がします。
――柳井さんも、地元でいろんな活動をされています。
それは子どものおかげです。息子の自閉症がわかったとき、「この子が社会で孤立したらどうしよう」と悩んだんです。パルシステムの活動は多彩だし、子連れで参加してもあたたかく迎え入れてくれるので、うれしかった。工房あかね(※2)さんとアートイベントを企画したり、いろんなつながりも生まれました。
節電は楽しく!
――これからの抱負を聞かせてください。
野望があるんです。へちまたわしとソーラークッカーを組み合わせた体験型のイベント。太陽の光で、ゆでたまごを作ったり、ピザを焼いたりすれば、子どもたちも楽しくエネルギーのことが学べる。
植物は太陽の光で育ち、それを私たちが食べている。自然のエネルギーをもらって生きている。再エネも同じです。でも、そうではない電気もあります。しかも福島のように、別の場所で発電したものを、都市部で暮らす私たちが消費している。
植物は太陽の光で育ち、それを私たちが食べている。自然のエネルギーをもらって生きている。再エネも同じです。でも、そうではない電気もあります。しかも福島のように、別の場所で発電したものを、都市部で暮らす私たちが消費している。
――省エネとともに、再エネを広げることも大切です。
原発は、効率的に発電できるものかもしれません。でも、放射性廃棄物は、何百年、何千年もかけて安全に管理をしなければならない。子どもや孫、もっと先の世代の人たちに負担をかけてしまう。そんな未来にはしたくない。
原発は、誰かの不幸の上に成り立つ電気です。再エネは、自然を壊したり、誰かを不幸にさせる電気ではない。そこに魅力を感じます。だからこそ、もっと広げたい。党首はまだ、やめられそうにないかな(笑)。
原発は、誰かの不幸の上に成り立つ電気です。再エネは、自然を壊したり、誰かを不幸にさせる電気ではない。そこに魅力を感じます。だからこそ、もっと広げたい。党首はまだ、やめられそうにないかな(笑)。
※1 佐俣満夫、福田亜佐子「緑のカーテンによる省エネ及びCO2削減効果の試算」(横浜市環境科学研究所)によると、7~9月の3か月間、8㎡のグリーンカーテンを南西及び南東のガラス窓面に設置した場合、家庭用エアコン約1台分で毎日約1時間半程度の稼動相当分の省エネになる。さらにグリーンカーテンによる冷房節約で、杉の木の吸収量換算で約9本分相当のCO2を削減できる。
※2 群馬県高崎市を拠点に、障がいのある人たちの芸術活動を支援することを目的に活動するNPO法人。