パルシステム電力通信NO.6 ㈱十文字チキンカンパニー

十文字チキンカンパニーを訪問しました!

㈱十文字チキンカンパニー 外観

 

素敵なパネルとともに歓迎してくれたのは、パルシステムの人気商品、『までっこ鶏』の産地である(株)十文字チキンカンパニー。ここでは「人・動物・環境の健康」を考え、 鶏の飼養から加工・販売、鶏ふんを利用した発電事業まで行っています。

今回は現地にお邪魔させていただき、までっこ鶏が食卓に並ぶまでの過程を見学させていただきました。

 

ウェルカムボード

 

「動物の健康を考える」が体現された、衛生管理体制

まず最初に見学させていただいたのは、岩手県盛岡市に位置する生出第一ファームです。

飼養坪数は2,574坪で、12棟ある鶏舎の中には128,000羽の鶏たちがのびのびと育てられています。

鶏舎の床部分と基礎部分の床下3cmほどは白くなっていました(写真下)。これは消毒用の石灰。粉だと風で飛んで行ってしまうため、水で溶かした石灰を散布しています。

出生第一ファーム

 

鶏舎内の様子

 

感染症対策につき、鶏ふんを輸送する際は事前に回収に行く鶏舎が決まっている(鶏舎をはしごしない)、数多くある水と餌の器具は鶏の出荷後に丁寧に手洗いする等のお話を聞き、「動物の健康を考える」が体現されていると感じました。今回はバスから見学をさせていただきましたが、鶏舎は想像よりも大きく、解放された窓からはいきいきと動く鶏を確認できました。

「人の健康を考える」安全な鶏肉をつくるため、
徹底された品質管理

次に岩手県八幡平市に位置する鶏肉の処理・加工を行う岩手農協チキンフーズ(株)さんの八幡平工場にお邪魔しました。こちらの工場では1日に約81,000羽を処理しています。

81,000羽のうち、約5,000~6,000羽はパルシステムの『までっこ鶏』となります。
工場前の鶏魂碑
※命を捧げてくれた鶏へ感謝の意を込め、工場前には鶏魂碑がありました。

加工場に入る前は異物混入や細菌汚染対策のため、
写真のように徹底防備!クリーンローラーや
手洗いも徹底するなど、安全な鶏肉をつくるため
鶏舎に引き続き衛生管理が徹底されていました。
  細菌汚染対策の様子

鶏ふんも灰もすべて必要「環境の健康」が考えられた、無駄のない発電方法

最後に、バイオマス発電所を見学させていただきました。バイオマス発電とは、植物や動物から得られる資源を燃焼し、発生する蒸気でタービンを回して電気をつくる方法です。

十文字チキンバイオマス発電所では、生物由来のバイオマス「鶏ふん」を用いて発電しており、石油等を必要としないためクリーンなエネルギーを生み出しています。

バイオマス発電所
鶏ふんはカロリー※が高く、鶏舎に敷かれたオガクズを含むため、
他の畜産ふん尿に比べ、燃料として優れています。 

※カロリーとは、空気によって燃える時に発生する熱量(発熱量)のこと
鶏ふん

 


発電現場の様子

 

 中央操作室の様子 

 

中央操作室

オレンジ色に映し出されているモニターは焼却炉内の様子です。中で異常がないかをモニタリングしています。画面が暗くなっている際は、何か問題が起きている証拠。その場合には、空気や鶏ふんの送り方を変えるなど対応をすることで、焼却炉内のオレンジ色を保ちます。

また、発電所の火を止める際は4日程かけて掃除を実施。点検口から人が入り、灰など不純物の固まりを除去します。

 

※鶏ふんはボイラー燃焼炉へと運ばれます。

燃料ピット内

燃料ピットは深さ8mもあり、3日間分(約1200t分)の鶏ふんを保管できる収容力があります。大きなクレーンは1掴みにつき、約3t分の鶏ふんを持ち上げることができるそうです。専用の免許は必要ですが、手動でも操作できるとのことでした。また、クレーンは年次点検やワイヤー点検を実施しています。

 

鶏ふん燃焼後の灰

燃焼後に残る灰は、リン酸やカリウムといった
野菜や植物を育てる際に重要な成分を豊富に含んでおり、
肥料原料として活用され、地域資源循環の役割を担っています🌼

 

 

 

 

十文字チキンカンパニー概要表
年間売送電量は約3630万kWh(約1万世帯分)となります。

取材協力:岩手農協チキンフーズ(株)八幡平工場
十文字チキンカンパニーバイオマス発電所