いわき小川発電所(福島県いわき市)
電気づくりはコミュニティも作る
福島県いわき市を拠点にNPOなどで活躍してきた人たちが集まり、復興に向けたさまざまな事業を行う「いわきおてんとSUN企業組合」。震災後、県内の耕作放棄地を活用したオーガニックコットンの製品化にも取り組んできました。「コットンの栽培を通してボランティアと地域の人とのつながりが生まれ、再生の拠点になったんです」と語るのは、いわきおてんとSUN企業組合の島村さん。
「電気づくりはその延長にあります。“原発じゃなく、太陽のチカラで!”という目標に向かって、いわきの人だけでなく、県内外のボランティアたちがいっしょに汗を流してきました」
忘れられない、親子の笑顔
震災から数か月経っても電気が回復しない集落に、太陽光パネルと蓄電池を持ち込む復興支援の活動をしていました。そんな活動の最中、灯されたLED電球のやわらかい灯に照らされ、被災した親子が見せた久しぶりの笑顔が、今も忘れられないといいます。
原発事故は多くの人から故郷を奪い、笑顔を奪いました。そのような悲劇を次の世代には味わわせたくない。発電産地として参加しながら、人を笑顔にするエネルギーを作る、自分たちの未来は人任せにしない― “コミュニティ発電所”は、ただ電気をつくるだけでなく、「人の笑顔」も作り出しているようです。