㈱さくらソーラー

富岡復興ソーラー発電所(福島県双葉郡富岡町)

地域住民主体の発電所を作る!

 「私たちの太陽光発電事業は、原発事故からの復興支援が目的」ときっぱり言い切るのは、富岡復興ソーラー発電所を運営する、㈱さくらソーラーの遠藤さん。かつては学校の教師でした。

 「子どもたちへの教育は、地域社会を豊かにしていくための宝」と信じて疑いませんでしたが、福島第一原発事故により福島県内外に散り散りになった子どもたちはじめ、住民たちを見て、自分たちにできることはなにか?――を毎日のように自問し続けたといいます。
 自分たちの故郷でもある富岡町から住民はいなくなり、田畑も荒廃するばかり。そこで、思い立ったのが遊休地を利用した太陽光発電所を作ることでした。

「市民の力」で復興を成し遂げるために

 「遊休地は広大で地権者は数十人にのぼり、すべての人の承諾を得るだけでも作業は難航しました。一人ひとりがさまざまな事情を抱えるなかで、この「富岡復興ソーラープロジェクト」を理解してもらい、契約にこぎつけるまではとにかく苦難の連続でした。もう何度やめようと思ったことか」と当時を振り返ります。

 富岡復興ソーラー発電所は太陽光発電事業で得られた収益を活用して、さまざまな地域復興事業への寄与を見込み、パルシステム福島、パルシステム連合会などの生協からの出資や、市民出資を活用して建設された発電所で、パルシステム福島の組合員も市民出資枠で個別に出資しています。