きぼうのでんき2026年4月号

 

鶏のふんで電気をつくる?
食とエネルギーはつながっている!

🎯 記事を読み終えたら、クイズに挑戦!素敵なプレゼントが当たるチャンス 🎁

十文字チキンカンパニーバイオマス発電所
十文字チキンカンパニーバイオマス発電所

2024年の総発電量は47,663,687kWh。そのうち発電所で消費した分を差し引いた37,483,130 kWhがパルシステムでんきに供給され、組合員やパルシステムの事業所で使われています。

左から長川久男さん、松本圭由さん、小林正宗さん
左から長川久男さん松本圭由さん小林正宗さん
までっこチキン生産者連絡協議会副会長、十文字チキンカンパニーバイオマス発電所所長、までっこチキン生産者連絡協議会会長

鶏のふんで電気をつくる…どういうことですか?

松本さん「電気をつくる」には「タービン(羽根車を回転させエネルギーに変換する原動機)を動かす力」が必要になります。それが水流の力であれば水力発電に、風の力なら風力発電になるわけですが、私たちは「鶏のふんを燃やすことで水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回して」いるんです。
松本さん私たちのバイオマス発電所では、使用する水の90%以上を蒸気として循環利用して、その蒸気でタービンを回して発電しているので、エネルギー(もしくは水資源)を有効に活用できる効率的な発電方法と言えますね。
松本さんちなみに「バイオマス」は、「バイオ(生物資源)」と「マス(量)」を組み合わせた言葉。いろいろな生物から生まれる資源を無駄にせず、これを燃料として発電機を回して電気エネルギーに変換する発電方法がバイオマス発電。鶏のふんも立派な「生物資源」というわけです。
鶏舎の様子

『までっこ鶏』を育てている鶏舎の様子。健康な鶏を育てることが良質な燃料につながる。

『までっこ鶏』を育てている鶏舎の様子。健康な鶏を育てることが良質な燃料につながる。

なるほど。もともと十文字チキンカンパニーは、パルシステムの産直鶏肉『までっこ鶏』の生産をされているメーカーですね。鶏を生育する鶏舎で毎日発生する鶏のふん――「鶏ふん」をバイオマスと位置付けて活用している、ということですね。
松本さん『までっこ鶏』を育てている契約農家は、岩手県内に52カ所もあります。この他、当社が契約している養鶏農場を含め計164カ所から1日約400トンの鶏ふんを、この発電所では毎日受け入れて、電気に変えています。
松本さん契約農家であるベテランの養鶏農家、長川さんは15万羽を育ててらっしゃるので長川さんだけで1回に300トンでしょうか。10トントラック30台分近くのふんが出る計算ですね。
長川さん鶏の生産というのは、「雛を鶏舎に入れて育て上げ、出荷に出すまで」の50日がひとつのサイクルです。その50日間、鶏たちは鶏舎内でふんを出すのですが、その積みあがった出荷分が「一回」ということです。
長川さん出荷後の2週間は鶏舎内を掃除したり、壊れたところは補修して、そしてまた新たに雛を入れて再び50日の生育を行う…という循環なんです。うちは全部で18棟の鶏舎があるので、ふんの回収は大変な重労働なので、協力会社のみなさまに手伝っていただいて、2~3日でまとめて出しています。

鶏ふんの回収作業

鶏ふんの回収作業

養鶏農家から発電所へ運ばれる鶏ふんの回収作業。1日約400トンが集められる。

鶏のふんを回収しながら、一気に発電所へピストン輸送していく。大変な重労働ですね…すべての養鶏農家さんが同様の作業をしているのですか?
小林さん県内各地の仲間たちはみんな同じですよ。生き物相手なので、お盆もお正月も関係ない。もちろん、雨でも雪でも、鶏たちの世話はやめるわけにいかない。
小林さん私たち農家は「立派な鶏を育て上げる」ことに一年中集中してますから、とにかく鶏の健康第一、50日間を心地よく過ごしてもらうことが仕事です。
小林さん飼料は主にとうもろこしや大豆油かすなど植物性由来の飼料にこだわって使っていますし、鶏舎の床にはおがくずを敷き詰めて居心地よくするなど工夫を重ねています。
長川さん床をちゃんと整備しておいてあげると、鶏の体調もいいんです。ふんを見るとよくわかる。健康な鶏のふんは、乾いてるんです。これがもし湿っていると、おがくずまで湿らせてしまうので、不衛生に拍車のかかる悪循環に陥ってしまう。
松本さんその乾いたふんが、よく燃えるんですよ。発電する燃料としては最高の一品ですよ。

燃料ピット

燃料ピット

養鶏農家から運び込まれた鶏ふんが一旦収納される大きな燃料ピット。

食べ物とエネルギーはつながっている

健康な鶏から出る乾いたふんが、より安全でクリーンな電気を生み出している、ということですね! まさに「食べ物とエネルギーはつながっている」。
松本さん私自身、バイオマス発電所に関わる前から、社内で鶏ふん処理や養鶏事業を補助する部門におりました。養鶏農家にとって、鶏のふんの処理は悩みのタネのひとつです。発電事業をはじめるまでは、それら鶏のふんのすべてはどうしていたかというと、肥料化して田畑に還元する形で活用されてきました。
松本さんそれが、現在はバイオマス発電所が出来たおかげで、県内で発生する鶏のふんの90%以上を電気に変えることができるようになったんです。つまり、農家にとって厄介者だった鶏のふんのほとんどを発電に活用することで無駄がなくなりました。しかも、発電事業で得られた利益は、本業である『までっこ鶏』の生産基盤の整備に還元することができ、その結果、よりよい鶏肉を生産することにつながっています。
松本さんさらに、鶏のふんを燃焼させる際に生じる「灰」は、農地の貴重な堆肥にもなります。発電所ができたことで、資源がぐるぐると循環しているんです。

ボイラー設備

ボイラー設備

鶏ふんを燃焼させ、蒸気でタービンを回して発電するボイラー設備。

これだけ膨大な鶏のふんを処理するとなると発電所の運営も大変ですね。
松本さんこのバイオマス発電所の開設は2016年11月。今年10年目の節目になります。
松本さんそれまで発電などやったことのない私たちが試行錯誤を繰り返しながら発電所を運営してきたなかで、一番苦労したのは「掃除」なんです。
松本さん鶏のふんを燃やし、水を蒸気化させるまで、その熱気を受け止めるボイラーの中はつねにススで汚れていきます。そのまま放置しておくと、ススの元となる灰が岩盤状に固まってしまい、配管をつまらせて発電所自体が止まってしまいます。そのため、年間に35日程度は発電所を止め、ボイラーの中に入って人力で掃除をしています。スス払いのようなイメージをしてもらうといいと思います。
人力で掃除するんですか! メンテナンスしてあげないとダメになる、ってちょっと人間っぽいですね。
松本さん鶏のふんも乾いているとはいえ、年間で見れば状態はどうしてもばらつきがあるんです。その影響で発電所のボイラーの調子も変わっていきます。70~80日に一度の割合で「掃除」は想定しているのですが、機器の状態を管理する計測数値を日々見ながら"体調"を見ておかないと大きな事故にもつながりかねません。
松本さんうまく燃焼できていないと「呼吸しにくそうだね」と職員たちと会話するんです。なんだか子どもみたいですね。最近は親も成長したので、聞き分けのいい子に育ってきたようにも思います(笑)。
松本さんこれからも引き続き、食べ物とつながって生まれる電気をお届けしていきたいと思います!

 

🎁 クイズに答えてプレゼントをもらおう! 🎁

記事を読んだ後は、クイズに挑戦!
👇 下のバナーをクリック 👇

 

現在放映中のテレビCMに松本さんが出演しています!ぜひご覧ください!